【Bitcoinビットコイン】に匿名性なんてない、だろ
危険ドラッグの原料を中国から輸入する際、決済にビットコインを使用した、という男が逮捕されたというニュースがありました。
調べに対し、清水容疑者は「指定薬物だとは思わなかった」と容疑を否認したうえで「ビットコインで取り引きした。匿名性が高いので利用した」などと供述しているということです。
清水容疑者は仕入れた原料の代金支払いに仮想通貨「ビットコイン」を使っていた。同庁は匿名性の高いビットコインが悪用されたとみている。
新しいモノが犯罪に使われるとメディアが飛びつくのは習性として、こういう話題が続くと、それでもイメージが悪くなるのは残念ですね。分からない（自分もわかっていないけど）人は永遠に分からない、こういう報道を信じるので、放っておけば良いといえばいいのですが、では、そもそもビットコインは本当に匿名性が高いのか？といえば、ぜんぜんそんなことはないですよね。
ビットコインは決済が非常に楽で速い、今回の日本ー中国間の取引のような場合に便利なのは事実です。しかし、よく言われますが、ビットコインの匿名性はクレジットカードと現金の間くらいのものです。悪用したいのなら、現金の匿名性が最強です。
ビットコインの取引履歴はすべてブロックチェーン取引台帳に記録され、台帳はだれでも確認することができます。
Bitcoin Block Explorer - Blockchain.info
個々のアドレスは個人と紐付けできなくても、アドレス／ウォレットの送受信履歴を辿れば、アドレス同士の関係性が見えてきます。そのアドレスがビットコインの現金化に使う取引所のアドレスが分かれば、多くの取引所は本人確認をしているし、取引所に紐付いている銀行口座などから、個人の特定など警察には簡単でしょう。silkroadだって、ちゃんと摘発されていました。
ビットコインを悪事に使用したければ、取引所の本人確認の際、虚偽の免許証やパスポートを使う、架空口座を使うなどと手があるでしょうが、それはビットコインに限った負の側面ではなく、すでに多くの犯罪に使われていることです。
今回のニュースも、犯罪の決済にビットコインが使われていた、という点でニュースになったのでしょうが、事実ではないこと、つまりビットコインは匿名性が高い、と安易に書いてしまうのはどうなんでしょう？
ひいては、ビットコインは匿名性が高くて犯罪に使われる、というイメージが流布してしまうのが残念ですが、ビットコインは悪用できる、という間違った認識が広がってしまうのも、ちょっと困ったものだと思ってしまいます。
